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神道

日本の葬儀は、90%が「仏式」で残りの10%は神道かキリスト教の葬儀と言われています。

そんな中で「神道」での葬儀に参列することに・・・時々そんなことがありませんか?

「仏式の作法とどう違うの?」

「遺族の方にどんなふうに挨拶をしたらいいの?」

「服装や香典はどうすれば?」


様々な疑問が浮かんで不安になりますよね。

ここではそんな不安が解消するように神道における葬儀や告別式の作法や服装、挨拶や香典について、判りやすくまとめてみました。

また神道の考え方と仏教の考え方との違いも併せてご紹介します。

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神道と「死」の考え方


神道について

神主

「神道」とは、日本古来の神様を信仰する事です。

日本には、昔から「八百万の神(やおよろずのかみ)=たくさんの神様」がいるとされていて、すべてのものに神様が宿っているという考え方があります。

それらたくさんの神様を信仰する宗教が「神道」です。

キリスト教や仏教と大きく違う点は、キリスト教や仏教が「一神教」といって、ただ一人(一柱・ひとはしら)の神様が信仰の対象になっているのに対して、神道は「多神教」といって複数の神様が信仰の対象になっている点です。

世界的に宗教は「一神教」の方が多い中、「多神教」の宗教は少数派、日本の「神道」もその一つなのです。

「死」に対する考え方


神道の「死」に対する考え方も、仏教やキリスト教とは少しずつ異なります。

人は「神の子」で神様の計らいによってこの世に生まれ、役目を終えると神の世界に帰り子孫を見守る守護神になる、と考えられています。

その為「死」は「役目を終えて神の世界に帰る事」となり、葬儀は「これから子孫を見守る守護神になるための儀式」になります。

仏式の「故人を極楽浄土へと送り出すため」の葬儀とは、葬儀の持つ意味が随分と違うんですね。

葬儀の作法


仏式の葬儀や告別式は、故人に縁があったお寺で行われることもありますが、神道のお通夜や告別式は故人の自宅や斎場で行われるのが一般的、神社では行われません。

これは、神道においての死は穢れ(けがれ)とされていて、その「穢れ」を神域である神社に持ち込まないためだと言われています。

ここでいう穢れとは「汚れている」「不浄な物」という意味ではなく「気が枯れている」状態のことで、悲しみにくれて生命力が衰えている状態の事です。

神道とは生命力が強いことを良しとする宗教ですので、気が枯れている状態の人を神域に持ち込むわけにはいかないのだとか。

その為、神道のお通夜や告別式ではその穢れを払うべく何度も「御祓い」がなされるのです。

また、一説にはお通夜や告別式の後、お祓いのため「塩をまく」という習慣も神道によるものだともいわれています。

お通夜と告別式


仏式における「お通夜」を神道では「通夜祭」といいます。

通夜祭では、神主さんによる祭祀の奏上(仏式でのお経に相当するもの)、玉串奉奠(たまぐしほうかん)、他にも遷霊祭(せんれいさい)という、故人の魂を遺体から霊璽(れいじ・仏式における位牌)に移す儀式も執り行われます。

告別式を「葬場祭(そうじょうさい)」といいます。

「葬場祭」は、「死」による穢れを清め故人の霊を慰めるとともに、死後に子孫を見守る守護神となるための儀式ともいわれています。

式の流れは、斎場や神主さんによって様々ですが、通夜祭で行われた「祭祀の奏上」や「玉串奉奠」の他に

修祓(しゅうふつ)の義
⇛参列者のお祓い

献饌(けんせん)の儀
⇛お供え物の蓋をとって神様へのお供えをする

等が行われ、その後故人との最後の別れがあり、出棺となります。

雅楽が流れる中で行われることが多く、仏式の葬儀と比べて音楽が流れている時間が多く感じました。

また出棺の後、火葬の前には「火葬祭」という儀式も執り行われます。

仏式の葬儀でも火葬の前にお坊さんがお経を唱えてくれますが、それにあたる儀式で、火葬の前に神主さんが祭祀の奏上し、その後玉串奉奠を行います。

玉串奉奠

榊

「玉串奉奠(たまぐしほうかん)」とは、仏式における「お焼香」にあたります。

「玉串」とは「榊」の枝に白い紙で作った紙垂(しで)がつけられたものでこれを神様に捧げることで、目に見えない神様とのつながりを目に見えるようにあらわす、という意味があります。

【玉串奉奠の作法】

1.玉串を受け取ったら、右が枝、左に葉が来るようにしっかりと持つ

2.左手で葉の部分を支えながら枝を手前に持ってくるようにして縦にする

3.今度は左手を枝の方に持って、枝を祭壇の方へと向ける

4.枝を祭壇に向けて祭壇に備える

5.遺影に向かって二回礼をして、音を立てずに2回拍手、その後一礼

6.その後、祭祀と遺族に対して礼

このようになっています。

作法を書くと「難しくてわからない!」と思うかもしれませんね。

なるべく簡単に説明すると「榊の枝が右側になるように横に持ち、枝が手前→左側→向こう側になるように榊を回して、最後には祭壇の方に枝が向くようにして」捧げます。

この玉串、神道の葬儀の他にも、七五三やお宮参り、厄除けなど、神社での儀式ではよく行われるので、覚えておくと役に立ちますよ。

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遺族への挨拶


神道では、「死」は悲しいものではなく、これから子孫を見守る守護神となるという考え方をしているので、悲しみや哀悼を伝えないのが礼儀です。

また、日本の葬儀でよく使われている「冥福」や「成仏」といった言葉は仏教用語ですので、神道の葬儀の挨拶でこの言葉を使うのはマナー違反。

もしも遺族の方にご挨拶をするのであれば、「御霊(みたま)の平安をお祈りいたします」や「拝礼させていただきます」といった言葉を選ぶようにしましょう。

また、弔電の文面にも「冥福」や「成仏」といった言葉は使わないようにしましょう。

弔電の文面が思いつかないときは、弔電を送る際「神道の葬儀」に送ることを伝えれば、神道の葬儀にふさわしい文例を紹介してくれますよ。

香典

不祝儀袋

神道では「お線香」は焚かないので「香典」はありませんが、仏式における「香典」にあたるものが御玉串料(おたまぐしりょう)になります。

御玉串料を用意するときは、不祝儀袋は無地ののし袋に白黒、または銀色の結び切りのものを使い、表書きは「御玉串料」「御霊前」と書き、名前をフルネームで記入します。

また、市販されている不祝儀袋を見てみると、ユリの花や蓮の花が描かれているものを見かけませんか?

「花の絵が描いてあって綺麗だからこの不祝儀袋にしよう!」といって、お花が描かれている不祝儀袋を選んだりしていませんか?

ユリや蓮の花が描かれている不祝儀袋は、それぞれキリスト教、仏教で使用するものなので、神道の葬儀では使わないのが作法ですよ。

御玉串料の金額の相場は仏式の「香典」の料金と変わりません。

詳しくは、キリスト教葬儀の服装やマナー!弔電、香典、花は普通と違うのか?の記事をご覧下さい。



服装

フォーマルスタイル

さて、神道の葬儀における服装ですが、一般的に他の葬儀の服装と同じ、特に区別することはありません。

仏式の葬儀でも神道の葬儀でも同じことが言えるのですが、神様の前に出るので、神様に失礼のないような服装にしましょう。

男性はブラックスーツやダークスーツでネクタイは黒を、女性は黒のワンピースやスーツといった服装で、なるべく肌を露出しないようにします。

半袖を着用する場合も袖は5分袖程度に、ストッキングも黒を着用しましょう。

また、仏式で使う「数珠」は神道の葬儀では使用しませんし、お祈りのための特別な小道具を用意する必要もありません。

まとめ


神道の葬儀の服装や挨拶、香典についてご紹介しましたがいかがでしたか?

ただでさえ、葬儀の会場では緊張してしまいますが、それが一般的に摂り行われている仏式の葬儀ではなく、神道の葬儀ともなると、知っている葬儀とは違う分、余計に緊張してしまいそうですね。

けれど、基本的な神道の考え方と作法を覚えておけば、あとは仏式とさほど変わりません。

葬儀は「故人の魂を送り出す」「お別れの」儀式だという事を忘れなければきっと大丈夫ですよ。


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