先月から、チラホラと聞こえる麻疹(はしか)感染のニュース。
麻疹(はしか)は感染力がとても強い感染症ですが、そんな麻疹(はしか)には予防接種を受けていない世代があるとのこと。
麻疹(はしか)の予防接種の義務化とともに分かれてしまった、予防接種を受けている世代と受けていない年代について、調べてみました。
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麻疹(はしか)流行の懸念

昨年、WHOから、麻疹(はしか)ウィルスの排除状態にある国と認定されたはずの日本ですが、今年はどうやら、雲行きがアヤシイ感じです。
先月、幕張メッセでのコンサート来場者の一人が、数日後に麻疹(はしか)感染と診断され、関西空港では従業員を中心に多くの麻疹(はしか)患者が発生したことがニュースになりました。
さらに、国立感染症研究所は今月13日に、8月29日~9月4日に麻疹(はしか)患者が新たに26人確認されたと発表しました。
これまで発表されていた人数と合わせると、今年の麻疹(はしか)患者数は合計で82人となり、今現在で、すでに昨年の年間患者数35人を軽く2倍は越える数字となっています。
実は麻疹(はしか)は、2007年にも若い世代を中心に流行し、多くの大学が次々と休講するなどの社会現象を起こしたことがあります。
麻疹(はしか)の感染力はとても強く、「空気感染」「飛沫感染」「接触感染」によって感染します。
その上、麻疹(はしか)は大人になるほど、感染すると重症化する傾向があり、脳炎や肺炎で重篤な後遺症が残ったり、時には命を落とすこともある怖い感染症なのです。
でも、その反面、予防接種は非常に有効で、抗体があればほぼ感染することはないそうです。
詳しくはこちらの記事を参考に。
⇛麻疹(はしか)の症状と予防対策まとめ!感染経路や潜伏期間も調査
麻疹(はしか)の予防接種は、日本では他の多くの感染症の予防接種と同じく、乳幼児期に実施することが義務化されています。
ですから、安心と言えそうに思うのですが、ではなぜ、時として流行の兆しを見せてしまうのでしょうか。
麻疹(はしか)ワクチンの予防接種は義務

麻疹(はしか)ワクチンの予防接種は、日本では1966年に開始されています。
ただ、1978年に麻疹(はしか)ワクチンの予防接種が義務化されるまでは、希望した人だけの任意の予防接種だったため、それ以前に生まれた年代は予防接種自体を受けていない人が多い年代です。
さらに、抗体定着には1回の予防接種では不十分で、2回の予防接種が非常に有効ということが分かり、1990年からは、2回のワクチン予防接種が義務化となりました。
2回接種が義務となる前の1977年から1990生まれの世代は1回しか接種を受けていない世代です。
つまり、おおむね1歳から25歳の世代は麻疹(はしか)予防接種を2回、26歳から39歳は世代は麻疹(はしか)予防接種を1回ずつはほぼ受けており、40歳以上の年代はワクチン接種を受けていない人が多いということです。
詳しくはこちらの記事を参考に。
⇛麻疹の予防接種は1回だと効果なし?抗体の持続期間や検査についても
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受けていない世代は抗体をもたないのか?

では、40歳以上の年代は麻疹(はしか)ウィルスの脅威に抵抗する術もないのか?というと、そういうわけでもないのです。
実際には、2007年も今回も麻疹の流行は若い世代に多いことを見ると分かるように、40歳以上の人が全く罹らないわけではありませんが、その数はとても少ないのです。
なぜなら、この世代は、麻疹(はしか)の予防接種が義務化されていなかった時代、流行をかいくぐったサバイバーだからです。
感染力の非常に強い麻疹(はしか)は、接触感染ではほぼ100%の感染力で、抗体がない人は周りで流行ると確実に罹患してしまうのです。
そして罹患して身につけた抗体は、予防接種よりも定着しやすいので、40歳以上の年代の人の多くは、予防接種は受けてないけど、多くの人が抗体を持っているということです。
一般には、下のように分かれます。が、義務の予防接種を受けられなかったなどの例外もあります。
1~25歳 ・・・麻疹(はしか)ワクチン予防接種2回義務世代 ほぼ抗体有り
26~39歳・・・麻疹(はしか)ワクチン予防接種1回義務世代 抗体有り・無し混在
40歳以上 ・・・麻疹(はしか)ワクチン予防接種無し世代 ほぼ抗体有り
26~39歳・・・麻疹(はしか)ワクチン予防接種1回義務世代 抗体有り・無し混在
40歳以上 ・・・麻疹(はしか)ワクチン予防接種無し世代 ほぼ抗体有り
また、予防接種が義務化された年代の中にも1回しか受けていない人、または1度も受けていない人もいます。
乳幼児の予防接種はその数が非常に多く、かなりタイトなスケジュールが組まれるため、体調などの都合で、場合によっては予防接種を受けることができないまま、時期を逸してしまったというケースも少なくはないからです。
まとめ
麻疹(はしか)予防接種は、日本では乳幼児に受ける予防接種として義務化されていますが、その歴史は任意接種の頃から数えても50年程の浅い歴史なので、予防接種を受けている世代と受けていない世代に分かれています。
ただ、受けていない世代にも抗体を持つ人は多く、逆に受けている世代の中にも抗体がない場合もあります。
麻疹(はしか)は数年おきに地味に流行しています。
自分が麻疹(はしか)抗体を持っているか不明で、気になる方は、ぜひ、かかりつけかご近所の病院に訊ねて、抗体検査をしてみましょう。
抗体がない場合は、年齢に限らず、実費での予防接種も任意でできますよ。
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定期予防接種は、義務ではありません。
国が接種を勧奨されているもので、国が接種費用を負担しているものなのです。
義務という言葉は、誤解を招きますので、訂正されたほうがよろしいかと思います。
同じ事を思いました。予防接種は義務ではないです。
日本において、医療行為で義務の物は無いと思います。
予防接種法が改正された経緯を、しっかりと学ばれた上で書いて欲しいですね。
個人的に、定期っていう名称を付けるのも、誤解を招いていると思います、予防接種は本来全て任意ですよ。
自分の子供を真剣に守りたいお母さんはしっかり学んで選んでいると思います、決してスタンプラリーのように受けるものではないはずです。