新幹線の「指定席」「自由席」そして「グリーン席」
この3つの席の違いはご存知ですか?
実はこれら3つの席には大きな違いがあります。
今日は、この3つの席の違いについてご紹介したいと思います。
普段、何気なく自由席で「自由席が空いたらラッキー」という方も「私は堅実に座席指定しているのよ!」という方も、是非ご覧になってみたください。
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目次
指定席の特徴
最近は、新幹線に乗る機会がほとんどない私ですが、時々乗る用があると、子供もいる関係で指定席を予約して座らせることが多いです。
「もったいないな」
と思う事もありますが、新幹線での長距離移動の時は、長時間子供に立たせているのがかわいそうになってしまうので、つい指定席を取ってしまいます。(子供に甘いのでしょうか?)
自由席にも空席があったりすると
「わざわざ指定席を取ることもなかったかな?」
と、ちょっと後悔することもしばしば。
そんな新幹線指定席、他の席との違いをご紹介します。
事前予約が必要
新幹線指定席とは、原則として事前予約が必ず必要になります。
そして、予約した席には必ず座ることが出来ます。
時折、指定席の切符を持っていない方が、空いているからと言って指定席に勝手に座っていることがありますが、それは辞めましょう。
指定席は本来、「指定席の料金」を払わないと座れない席ですよ。
「それじゃ、私が座るはずの指定席に他の方が座っているときは、どうしたらいいの?
その座っている方に言うのも気が引けるし・・・」
なるほど、自分が座る席に他の方がすでに座っている場合、先に座っている方を立たせて自分が座るわけですから、気まずいですし言いにくいですよね?
そんな時は、客室乗務員さんに言いましょう。
「私が座る席に、すでに先に座っている方がいるんですけど・・・」
乗務員さんが対応してくれますよ。
座席シートは自由席と同じ
「指定席と自由席、座席シートの違いはあるの?」
と疑問に思う方も多いと思います。
「もしかしたら、指定席には、自由席の席にはないサービスとか設備があるの?」
と期待する方も多いかもしれませんね。
けれど、残念ながら、指定席の座席は、原則的に自由席の座席シートと同じです。
自由席との席の違いは「指定されているか、誰でも座れるか」という差になります。
ただし、一部の新幹線では指定席の座席に、自由席の座席よりも広いシートを使っている場合があります。
自由席の特徴
お金のない若い頃、新幹線に乗る用があった時は絶対自由席でした。
「いつか就職して収入を得られるようになったら、指定席を取るんだ!」
と、お盆の時期乗車率200%近い新幹線に乗りながらそう思ったのははるか昔です。
誰でも座れる席
「自由席」というのは「指定されていない席」ということで、席が空いていれば誰でも座ることが出来ます。
また、グリーン席・指定席は、それぞれの差額料金を新幹線の料金に上乗せした料金になりますが、自由席には差額金額が必要なく、新幹線の通常料金だけで座ることが出来ます。
ただし、自由席に先に座っている方がいたり、空席がない場合は立ち席となります。
グリーン席の特徴
「グリーン車」というと、贅沢というイメージがありますね。
私は過去一度しか乗ったことがありませんが、なんとなく漠然と「芸能人が乗っている」というイメージがあります。(ミーハーですね)
そんなグリーン車、指定席や自由席とは違い、こんな特徴があります。
座席が広い
一番に思いつく他の席との違いはこれではないでしょうか?
駅のホームからグリーン席の車両を見てみると、車両の中の席数が少ないのに気づきます。
車両の中の席数が少ないという事は、それだけ1人分の席がゆったりとしているということです。
事実、一般的な新幹線の自由席は、横に5席(2席+3席)といった席の配置になっていますが、グリーン車は、横4列(2席+2席)という席の配置、横幅だけ考えても、ずいぶんゆったりと座れそうですよね。
数年前、たまたまグリーン車に乗る機会があったのですが、その時は私が座ってなお、座席の横に、小さめとはいえ手持ちのバッグを置けるくらいのスペースがありました。
自由席にはない席の広さで、隣に座る人に迷惑が掛からない程。
かなりゆったりと座ることが出来ました。。
さらに、N700系(2007年からJR東海、JR西日本、JR九州を走っている新幹線)は、トイレ無しのグリーン車両ですと、1両につき座席が17列、自由席ですとトイレ無しの車両で20列ですので、1両につき3列、少なくなってます。
席が少ない分、1席の前後の広さも広めに設定されているので、1席に対して12センチほどグリーン車の方が広く、足を延ばせたり、後ろの方に気兼ねなくリクライニングが出来たり、席を広く使えるためとても快適に座ることが出来るのです。
席そのものの快適さ
グリーン車と他の車両の違いは「座席シート」にもあります。
多くのグリーン車の場合、その座席のクッションは自由席・指定席のクッションと比べて座り心地が良いものになっています。
また座席のリクライニングの角度も自由席や指定席と比べて深くなっています。
そして、席によっては靴を脱いで足を置くスペースがあります。
足を乗せてリクライニングをしてくつろぐと、それだけでリラックスできますし、旅の疲れが癒せそうですね。
他の車両と比べて静か
すべてのグリーン席がそうではないのですが、ほとんどの新幹線のグリーン車の車両はほかの車両と比べて静かで快適です。
普段からグリーン車を使う人が少ないせいか、自由席や指定席ですと駅に着くたびに人の乗り降りが多くてバタバタするのですが、グリーン車ではそういったことがなく、静かです。
また、グリーン車の床には絨毯が敷いてある場合がとても多く、足音が聞こえず、人の気配で煩わしい思いをすることが少ないのも、他の車両との違いの一つです。
そして、グリーン車両には子供や赤ちゃんが乗ることはまずないので、赤ちゃんの泣き声や子供の騒ぐ声でうるさく感じることはありません。
他の席にはないオプション
グリーン車には、自由席や指定席と違い、快適な旅が出来るようなオプション設備も充実しています。
ざっと挙げてみますと・・・
- コンセントが全席に配置(N700系以後にできた車両)
- 手元の照明が設置されている
- おしぼりがもらえる
- ひざ掛けが使える(乗務員さんに言えば借りられます)
- ひじ掛けが広い(ペットボトルを置いてもまだ余裕がある!)
- 足置き完備
設備も広さも、自由席や指定席にはない快適さが追及されていますね。
おまけ:グランクラス
新幹線には、2010年から「グランクラス」という席が設定されました。
これは飛行機にたとえると「ファーストクラス」に相当する席なのだとか。
2018年10月現在、グランクラスは東北・北海道および北陸新幹線にのみ設けられている設備。
さすがに私は乗ったこともありませんが、「グリーン席」よりもハイクラスな席、ちょっと興味がありませんか?
簡単に、「グリーン車」よりもハイクラスな「グランクラス」のサービスや特徴についてもご紹介しますね。
- 座席数は横に3席(1席+2席)で、席の列は6列で、全部で一両に18席(グリーン席の車両よりも広く設定されています)
- 毛布・スリッパ・アイマスクといったアメニティグッズ、新聞や雑誌が用意されている
- グランクラス専用のアテンダントがサービスに対応(新幹線による)
- アテンダントによるサービスのある列車では、沿線の食材を用いた軽食と飲料(ソフトドリンクおよびアルコール類)が提供される
- 東京駅にはグランクラスを利用する方専用ラウンジが設置され、時刻表の確認やソフトドリンク・お菓子の無料サービス、新聞や雑誌、無線LAN,クロークのサービスを受けることが出来る
新幹線の自由席や指定席との違いは一目瞭然、グリーン車とも格段の違いを感じます。
新幹線のサービスも、ここまで充実していると「すごいなー」の一言に尽きますね。
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料金の差額
グリーン席や指定席にはそれぞれのサービスに相応した料金が発生しますので、料金の差額が発生します。
自由席の料金
新幹線の通常料金(乗車料金+特急料金)を払えば、差額分なしで自由席に座ることが出来ます。
一番安く新幹線を利用できる料金ですね。
指定席の料金
指定席の料金は新幹線の基本料金の他に、指定席の差額料金520円がかかります。
つまり、新幹線の基本料金が2000円で、指定席を取るのであれば、基本料金+520円ですので、2520円ということになります。
また、指定席の差額料金は、季節によって違いがあり、ゴールデンウィーク等の繁忙シーズンは200円割増となり720円となります。
反対に、オフシーズンになると200円割引の320円となります。
グリーン車の料金
指定席の差額料金は原則として「固定金額」ですが、グリーン車の料金は「利用する区間の距離」や営業区間によって少しずつ異なります。
参考までに、JR東海道山陽新幹線のグリーン料金をご紹介します。
区間(営業距離) | 新幹線の通常料金 | グリーン席の料金 |
---|---|---|
東京~小田原(100キロ) | 3220円 | 4500円 |
東京~静岡(200キロ) | 5830円 | 8580円 |
東京~名古屋(400キロ) | 10360円 | 14680円 |
東京~新大阪(600キロ) | 13620円 | 19230円 |
東京~岡山(800キロ) | 16300円 | 23300円 |
(2018年10月現在。参考:えきねっと)
グリーン席の料金は、同じ距離利用する新幹線の通常料金の3~4割程の差額がかかり、それが上乗せされる形になります。
グリーン席となると、指定席の差額料金と比べるとかなり高額になりますね。
なお、指定席には「繁忙シーズン」「オフシーズン」とうの割増、割引料金がありますが、グリーン席にはそう言った割引や割増はありません。
距離に対して料金が加算されるのは、「利用する距離=グリーン席のサービスを受け続ける時間と距離」に比例しているように感じました。
おまけ:グランクラスの料金
先ほどご紹介した「グランクラス」の料金もご紹介します。
比較しやすいように、グランクラスの席がある東北新幹線の主な通常料金・グリーン料金・グランクラスの料金を乗せてみますね。
区間 | 普通(指定)料金 | グリーン料金 | グランクラス料金 |
東京~仙台 | 10890円 | 14790円 | 19930円 |
東京~盛岡 | 14740円 | 18330円 | 23470円 |
東京~八戸 | 16290円 | 21970円 | 19880円 |
東京~新青森 | 17350円 | 21360円 | 27110円 |
(2018年10月現在。参考:えきねっと)
いかがですか?
グリーン車の差額料金も「高い!」と思いましたが、グランクラスの料金はその上を行きます。
相場として、通常料金+8000円~10000円が差額料金として上乗せされるといった考え方です。
ここまで高価ですと「乗ってみたい」という気持ちも失せてしまいますが、「機会があったら1度くらい・・・」と思いませんか?
まとめ
いかがでしたか?
意外と知らない「自由席」「指定席」そして「グリーン席」の席の違い。
思ったよりもグリーン席のサービスや快適さが大きいのは意外でした。
そして、「指定席」の席は自由席の席とほとんどの新幹線が同じ、というのも意外でした。
指定席は「特別」と思いがちですが、指定席は「席を指定」しているだけであって、席に対するサービスはグリーン席の方が大きいのですね。
これから新幹線に乗る方、是非参考になさってください。
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