最近様々なところで見かけるドラム式洗濯機、一方、長年日本で愛用され続けている縦型洗濯機。
日本では二種類の洗濯機が主流になっていますね。
ところで、このドラム式洗濯機と縦型洗濯機の違いって何だと思いますか?
形の違い?確かにそうなのですが、形の違いは様々な機能の違いや差を生み出しています。
今回はそんなドラム式洗濯機と縦型洗濯機の機能の違いを比較してみたいと思います。
更にメリットやデメリット、これから洗濯機を購入する人向けのポイントなどもご紹介します。
「そろそろ洗濯機の買い替えしようかしら?」「縦型式とドラム式、どちらがいいの?」と考えている方の手助けになれば幸いです。
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縦型洗濯機とは
縦型洗濯機とは、洗濯物を入れる洗濯槽が縦型になっている洗濯機で、一般的に「洗濯機」といったらこの「縦型」を連想する方が多いかもしれませんね。
洗濯物を洗濯槽に入れてスイッチを入れると、水が洗濯槽の中を満たして洗濯槽がぐるぐる回って洗濯物をきれいにして、その後すすぎ、脱水をします。
見慣れたスタイルと機能に対する信頼と安定感は申し分ありません。
ドラム式洗濯機とは
ドラム式洗濯機とは、洗濯物を入れる洗濯槽が横についているものです。
ドラムを横にするという構造上、縦型洗濯機よりも大型なものが多く、さらに洗濯機の前面に扉がありますので、設置スペースも扉を開ける分余計に必要になります。
「大きくて洗面所や脱衣場に置けない!」というお家もあるかもしれませんね。
海外で「洗濯機」というとこのドラム式洗濯機が一般的です。
日本でも、コインランドリー等では「ドラム式」が主流でしたが、一般家庭にもどんどん普及し始めていますね。
近所の家電量販店の洗濯機売り場を見てみると、ドラム式と縦型洗濯機の売り場が大体同じ位あって、店員さんにお話を聞いても、縦型式よりもドラム式の方を「売りたい」という印象を受けます。
ドラム式洗濯機と縦型洗濯機の違いを比較
「今度、洗濯機を買い替えようとしているんだけど、縦型式とドラム式、どっちがいいの?」
家電量販店で二種類の洗濯機を目の前にしてこんな疑問を持った人、いるかもしれませんね。
何となく、新しい上に形がかっこよいドラム式洗濯機を目の前にして さらに量販店の店員さんのセールストークを聞いていると、「ドラム式洗濯機がものすごくいいのかな?」と思いがちですが、ドラム式洗濯機も縦型洗濯機も、そのメリットとデメリットがあります。
そんなメリットやデメリットも踏まえて、縦型洗濯機とドラム式洗濯機の特徴を比較してみます。
形と使いやすさ
縦型洗濯機とドラム式洗濯機の一番の違いは「形」。
そして、形が違うからこそ、使いやすさも変わってきます。
その形から使いやすさを比較してみましょう。
洗濯槽が縦型になっているのが縦型洗濯機
洗濯物を入れる洗濯槽が縦になっていて、上から洗濯物を入れて洗濯をするのが縦型洗濯機の特徴。
洗濯物を入れるとき、上から入れるだけなので簡単ですが、洗濯が終わった洗濯物を出すとき、水を含んで重たくなった洗濯物を引っ張り上げるのでちょっと重労働、若い方ならいいのですが、体力のないお年寄りにはちょっときつい運動かもしれませんね。
洗濯槽が横になっているのがドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機は洗濯槽が横になっていて、扉を開けて洗濯槽に洗濯物を入れて扉を閉めて洗濯します。
洗濯物を洗濯槽に入れるには、しっかりと閉じる扉をあけて洗濯物を入れて、扉を閉めます。
扉の開け閉めというひと手間はありますが、洗濯が終わった時に洗濯物を出すのが縦型洗濯機と比較すると楽ですね。
水道代
縦型式、ドラム式という形の違いは、洗濯に使う水の量にも影響してきます。
形の違いから水道代を比較してみましょう。
縦型洗濯機は”水で洗濯槽を満たす”
縦型洗濯機で洗濯をすると、洗濯物の量に従って洗濯槽に水が入りますが、洗濯物が多いとその分洗濯槽にたくさんの水を入れるので、大量の水が洗濯に必要になります。
日本はもともと水資源が豊富な国なので、洗濯に大量の水を使っても問題はなかったせいか、日本では縦型式洗濯機が主流になりましたが、節水、省エネが推奨されている現在、「水をたくさん使って洗濯するのもちょっと・・・」という考えの方も多くなってきています。
最近は縦型洗濯機でも少ない水で洗濯物を綺麗にする機能が発達しているようですが、それでも縦型洗濯機で使う水の量はドラム式と比較するとやや多いようです。
ドラム式洗濯機の水の量は縦型洗濯機の半分
一方、ドラム式洗濯機の水の量は、縦型洗濯機の水の量のおよそ半分で洗濯することが出来ます。
もともとドラム式洗濯機は水資源の少ない海外でも洗濯物を綺麗に洗濯できるように、と開発され、水資源の乏しい海外で普及するようになったとか。
「どうしてドラム式は、縦型よりも少ない水で洗濯できるの?」
それは、ドラムを横型にして回転させることで、洗濯に必要な水を少なく済ませる洗い方を採用しているからなのです。
その「洗い方」については次の章でご紹介しますね。
洗い方と洗浄力
次に、洗浄力を比較してみましょう。
洗濯機の形の違いは洗浄力に影響しているのでしょうか?
縦型洗濯機はもみ洗い
縦型洗濯機は、洗濯機を水の中に入れて回転させて、水の中で洗濯物同士をこすることによって汚れを落とす「もみ洗い」「こすり洗い」という方法で洗濯しています。
繊維同士を水の中でもんだりこすりつけるという性質上、洗濯物がいたみやすいですが、泥汚れや食べこぼしなどの頑固な汚れは落ちやすくさっぱりと仕上がるのが特徴です。
ドラム式洗濯機はたたき洗い
ドラム式洗濯機は、少ない水と洗濯物を回転させることによって、ドラムの中で洗濯物を上から下へ叩き落すことで汚れを落とす「たたき洗い」という方法で汚れを落としています。
「たたき洗い」という洗濯方法は、洗剤や水が少なくても洗濯物をきれいにすることが出来る方法でドラム式洗濯機にはうってつけの洗い方、繊維同士をこすり合わせて汚れを落とす縦型洗濯機よりは繊維の傷みは少ないですが、タオルなど厚手の洗濯物がややぺっちゃんこ気味になったり、ゴワゴワ気味に仕上がることもあります。
汚れの落ち具合は縦型式よりと比較すると劣りますが、少ない水に洗剤を溶かして濃い洗剤水で洗濯するので洗濯物に濃い洗剤水が行き渡り、皮脂汚れや汗の汚れといった繊維にしみこんだ汚れをよく落としてくれます。
ただし、水が少ないために汚れの酷いものと一緒に洗うと、洗濯物の汚れや臭いが水に移り他の洗濯物が黒ずんだり臭いが移ってしまう事も。
洗い方一つにも、一長一短ありますね。
乾燥
最近は、縦型洗濯機にも「乾燥機能」がついていますが、その機能はドラム式洗濯機の乾燥機能と比べてどうなのでしょうか?
縦型洗濯機の乾燥機能
一昔前は、縦型洗濯機には乾燥機能はついていないものが主流でしたが、最近は縦型洗濯機にも乾燥機能がついているものがありますね。
縦型洗濯機の乾燥機能はヒーター式を採用しており、洗濯物に、温風を当てて洗濯物を乾かす方法で乾燥させています。
「縦型」という性質状、しわになりやすく乾きも今一つなのが難点。
また、繊維に温風を当てることで繊維が傷むという点もあります。
「何時間も、乾燥機能を使ったんだけど生乾きなうえしわくちゃに仕上がったわ」
「縦型洗濯機の乾燥機能で完全に洗濯物を乾燥させるのはちょっと無理があるから、生乾きにさせて後は普通に干している」
という声も。
縦型洗濯機の乾燥機能は、洗濯物を「完全に乾燥」させるというよりも「生乾きにして乾きやすい状態にする」と割り切った方が良いかもしれませんね。
ドラム式は乾燥機能充実
ドラム式洗濯機はドラムが回転することで、洗濯物が広がりやすくなり洗濯物全体に温風が当たりやすい構造になっているので、乾燥機能は縦型洗濯機と比較するとかなり良いです。
さらに乾燥方法も縦型洗濯機の所でご紹介した「ヒーター式」と、「ヒートポンプ方式」という二種類の方法を採用。
「ヒートポンプ方式」とは、温めた空気と冷やした空気を洗濯機の中で巡回させることで洗濯物を乾かす方法で、ヒーター式よりも電気代がかからない上、繊維にも負担がかからないのが特徴です。
電気代
洗濯をする上での電気代はとても重要です。
「コインランドリーで洗濯から乾燥まですると、1回数百円かかるよね?ドラム式洗濯機で乾燥まですると、電気代もそれくらいかかるの?」
確かに、コインランドリーの料金を知っていると、家でドラム式洗濯機で洗濯・乾燥まで行うと電気代がかかるんじゃないかと不安になりますよね。
洗濯をすることによって使う電気代は、洗濯機のメーカーによってやや異なりますので、平均的な電気代を取り上げてみます。
【洗濯機で洗濯、乾燥をした場合の1回の電気代】
- 縦型洗濯機(乾燥はヒーター式):61.83円
- ドラム式洗濯機(乾燥はヒーター式):64.9円
- ドラム式洗濯機(乾燥はヒートポンプ式)24.1円
こうしてみてみると、洗濯+ヒーターでの乾燥ですと電気代にさほど差はありませんが、ドラム式洗濯機でのヒートポンプ乾燥と比較すると、電気代だけで3倍近くの差がありますね。
ドラム式洗濯機で「ヒートポンプ式」を使った乾燥方法を使うと省エネだという事がうかがえます。
【ヒートポンプ式 ドラム洗濯機】
メリットとデメリット
次に、縦型洗濯機とドラム式洗濯機、それぞれのメリット、デメリットをご紹介します。
縦型洗濯機の場合
メリット
- 沢山の水と洗剤を使って洗濯物同士をこすり合わせて洗濯するので、汚れ落ちはよく、洗濯が終わったときすっきりとした感じがする。
- 本体価格が安い
- ドラム式程場所は取らない
- 本体トラブル、故障が少ない
デメリット
- 「もみ洗い」「こすり洗い」をするため、衣類がドラム式よりも傷みやすい
- 乾燥機能を使う場合は、乾燥しにくい
- 大量の洗濯物を洗濯した場合は、洗濯物が絡みやすくなり、洗濯機から洗濯物を出すのが大変
- 電気代・水道代共にドラム式よりも高い
メリット、デメリット、ともに多く感じますが、長年親しんできて信頼性のある縦型洗濯機。
その機能に対する信頼は、他のデメリットを覆すほどの大きなメリットのように感じます。
ドラム式洗濯機の場合
メリット
- 電気代、水道代が共に安い
- 乾燥機能が充実している
- 洗濯機稼働中の音が静か
- 洗濯機の上に物を置きやすい
- 見た目がカッコいい
デメリット
- 洗濯物の黒ずみ、汗のにおいが消えない事もある
- 乾燥機の音がうるさい
- 乾燥機能を使わない場合、洗濯物がゴワゴワすることも
- 定期的なお掃除、お手入れをしないとトラブルや故障になりやすい
電気代、水道代が縦型洗濯機と比較して安い上、乾燥機能が充実しているのがドラム式洗濯機の最大のメリット。
ただし、ドラム式洗濯機が一般家庭に普及し始めてまだ年数も浅いので、縦型洗濯機のような機能に対する安心感や信頼は、これから培ってゆくものなのでしょう。
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選ぶポイント
二つの洗濯機の特徴やメリット、デメリット比較してきましたが
「結局、ドラム式と縦型と、どっちがいいの?」
最初の疑問に戻ります。
どちらが良いか、一概に言えません。
縦型洗濯機は、長年親しんでいる形だという安心感と洗浄機能に対する信頼があり、本体価格が安いのが大きなメリットです。
ドラム式洗濯機はその縦型洗濯機のさらに省エネに乾燥機能を充実して使いやすくしたという位置づけです。
またそれぞれの洗濯機のデメリットも洗濯機メーカーの努力により日々改善されていますので、洗濯物の仕上がりや汚れ落ちの差、生地傷みの差は新商品が出るたびに改善されているようですし、特にドラム式洗濯機に多い様々なトラブルも改善されていると聞きます。
結局、使う人のライフスタイルや好みで選ぶのが一番かと思います。
- やっぱり本体価格が安いのが魅力だし、長年使っている形だから、縦型の方が安心できる
- 洗濯するなら、しっかり綺麗に洗濯して欲しい
- うちは小さい子供が多いから、泥汚れをしっかり落としてくれる洗濯機がいい
という方には縦型洗濯機がおすすめですし、
- うちは共働きで洗濯物を干す暇がないから会社に行っている間に乾燥まで終わらせてくれる洗濯機の方が助かる
- やっぱり電気代や水道代が安いほうがいい
とお考えならばドラム式の方がおすすめです。
また、ドラム式洗濯機は日々のお手入れや掃除を欠かすと、生乾き、乾かないなどのトラブルが出ますし、蓋を閉め切って洗濯するという構造上、ドラムの中はカビが生えやすく、洗濯物が臭うトラブルが発生することも。
「毎日お手入れしないとトラブルになるの?私面倒くさがりだからそれはちょっと・・・」
という方にも、縦型式洗濯機がおすすめですよ。
なお、洗濯物が乾かない生乾きのトラブルについてや、ドラム式洗濯機の臭いのトラブルについては記事下の関連記事を参考にしてみてください。
まとめ
縦型洗濯機、ドラム式洗濯機の違いやメリット、デメリットについて比較してみました。
どちらの洗濯機にもメリット、デメリットがあるので、どちらが良いかとは一概に言えません。
皆さまのライフスタイルに合わせて、一番良いと思う洗濯機を選べれば、そしてこのページが、洗濯機を選ぶ参考になれば幸いです。
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