よく、エアコンを使う季節になると、「エアコンつけっぱなしの方が電気代が安いのよ」という話を聞きませんか?
最近よく聞くエアコンを節電して使う方法の1つなのですが、これ、果たして本当なのでしょうか?
「だって、エアコンだってつかえば電気代がかかるんでしょ?こまめにつけたり消したりして、電気を使わない時間を増やした方が節約になるんじゃないの?」
そう思いますよね?
果たしてエアコンつけっぱなしは本当に電気代が安くなるのでしょうか?
今回はエアコンを節電しながら上手に使う方法、節電になる温度設定も一緒にご紹介します。
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目次
エアコンの電力
電気代がかかるという事は、電力をたくさん使うという事。
みなさんは、エアコンを使っていて、どんな時が一番電力を使うと思いますか?
意外と知らない方も多いかもしれませんね。
起動時から設定温度にするまで
実はエアコンは、「起動直後」から「設定温度」になるまでの間が一番電力を使うのです。
その電力量は900W〜1300W、エアコンの取扱説明書に書かれている「最大電力」がこの時に使われていると言われています。
具体的にどのくらいの量の電力、というのは判りにくいのですが、これがどのくらいの電気代となるのか後程ご紹介しますね。
エアコンの電気代が安い時
逆に室温が設定温度となり、その室温をエアコンがキープしている状態で運転している間は電気代があまりかかっていません。
電力は100W~200W、起動直後の10分の1程度の電力で、取扱説明書に書いてある最低電力で稼働していることが多いです。
この数字だけを見ても、起動して設定温度になるまでよりも、設定温度をキープしているときの方が少ない電力で稼働しているのが判りますよね。
電気代の比較
それでは、電気代で比較してみます。
電気代は地域によって若干違うのですが、1時間1KW(1000W)あたり25円で計算してみます。
エアコンが使用する電力が一番多い「起動時」に1200W電力を使うとして、それを1時間続けた場合
1.2KW×1(時間)×25(円)=30(円)
1時間につき電気代は30円かかります。
一方、設定温度になった後に使用する電力が100Wとして、それを1時間続けると
0.1KW×1(時間)×25(円)=2.5円
という事で、1時間につき2.5円の電気代となります。
これは単純計算していますので、実際はエアコン本体の消費電力や地域の電気代で異なってきますが、起動時と設定温度になった後の電気代は約10倍の差があり、設定温度になった後のエアコンの電気代の方が圧倒的に安いことになります。
つけっぱなしが節電になるの?
それでは、つけっぱなしにすると「節電」になるのでしょうか?
エアコンは起動時から設定温度にするまでが、とても電気を消費しますので、この「起動時~設定温度にする時間」を出来るだけ減らしてゆくことが、節約のポイントになりますね。
という事は、「エアコンをつけっぱなし」という状態は、「設定温度になった後は低い電力で使い続ける」という事ですので、こまめにつけたり消したりするよりは節電になります。
逆に、
「うちは、節電の為に弱冷房でエアコンを続けているの」
「電気代節約のために、エアコンはこまめに切っているの!」
という方は要注意。
弱冷房を続けるという事は、設定温度になるまで時間がかかっているという事ですから、余計に電気代がかかってしまっています。
また、エアコンをこまめにつけたり消したりするという事は、つけっぱなしでいるよりも「起動時の最大電力」を何度も行うことになりますので、電気代がとてもかかってしまいます。
「最大電力でエアコンを稼働させる時間をなるべく減らす」のが、エアコンの電気代を節約して使うコツなのですね。
安いかどうかは状況次第
どのような状況でエアコンをつけたら電気代が高いか、あるいは安いかをご紹介しました。
「それじゃあ、24時間ずーっとつけていれば節電になるの?」
どのタイミングで電気代が高くなるかを知ってしまうと、起動直後の「電力をたくさん使う状態」を極力少なくした「ずっとつけっぱなしが節電になる」の状態はすごく節電出来ているように思いますよね。
けれど実際は「つけっぱなしにする状況次第」という事になります。
つけっぱなしにした方が節電になる場合
生活していると、こんなことありませんか?
- ずっと家にいる
- ちょっとの間の外出(ちょっとコンビニやスーパーに行ってくる程度)
こんな時は消さない方が電気代の節約になります。
「お昼を買いにちょっとコンビニに行ってくる―」
「幼稚園に子供のお迎えに・・」
「今日は、お出かけ予定がないから、1日家でのんびりするの!」
30分程度の外出の時に「電気代がもったいないから」と言って切ると、帰ってきてもう一度エアコンを稼働させるときに電気代がとてもかかるので、つけっぱなしにしておいた方が効果的な節電方法になりますよね?
また、1日中お家にいるなら、「節電のためにこまめに切る」なんてことをしたらもったいない!つけっぱなしにしておいたほうが電気代の節約方法としては「正解」なのですよ。
消した方が節電になる場合
- 数時間~半日位の外出
- 仕事や外出で1日家に居ない
こんな時には一度切った方が節電になります。
「今日は朝からお出かけ、帰宅は夜になるかなぁ」といった時にエアコンをつけっぱなしにしておくと、最低電力で朝から晩まで稼働させることになります。
その料金と、いったんエアコンを切って出かけて、帰ってきてから再びエアコンを最大電力で使う電気代を比べたら、後者の方が電気代の節約になります。
このように、外出時間等に合わせてエアコンを切ったりつけっぱなしにしたりするのが効果的な電気の節電方法ですね。
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古いエアコンは要注意
「じゃあ、どんなエアコンも、つけっぱなしにした方が安いの?」
いいえ、一概にそうも言えません。
エアコンをつけっぱなしにするとき、もう一つ注意したいポイントがあります。
それは、エアコンの「製造年月日」です。
エアコンを使えば、電気代はかかります。問題はその電気代が高いか安いか、なのです。
例えば家電量販店でエアコンコーナーを見てみると「省エネ性能」が良いものが毎年どんどん出てきています。
つまり「新しいエアコンは省エネ性能が高く、高性能で電気代が安い」という事になり、逆に古いエアコンは最新型のエアコンよりも電気代が高くなります。
一説には、2000年前後に発売されたエアコンと2015年前後に発売されたエアコンとでは、年間の電気代が10000円以上違うという調査結果もあります。
そういった、省エネ性能が低いエアコンを24時間ずっとつけっぱなしにしたら電気代も高くなってしまいます。
「お友達のお家では、1日中エアコンをつけていると電気代が安かったよって言ってたから、うちでもやってみたんだけど、電気代が高くなったわ!」という方、意外と多いのでは?
そういった方は一度、お家のエアコンの製造年をチェックしてみてください。
そしてもしも、省エネ性能の低いエアコンを使っているのであったなら・・・今すぐとは言いませんが買い替えてみてはいかがでしょうか?
つけっぱなしにするコツ
さて、エアコンをつけっぱなしにすると、こまめに消すよりも電気代が節約できるのですが、ここでは「つけっぱなし」で快適に過ごすコツや方法をご紹介します。
フィルターはこまめにお掃除
エアコンをつけっぱなしにすると、フィルターが良く汚れます。
そして、フィルターが汚れてしまうと、エアコン内部の空気の通りが悪くなるのでエアコンの効率が悪くなり、余計に電力を使い、電気代がかかってしまうのです。
フィルター掃除を怠り、フィルターが汚れたままでエアコンを稼働し続けると、エアコンの性能が20%程落ちるのだとか・・・
最低月に1回フィルターの掃除をするのが効果的に節約するコツですよ。
設定温度
一般的に、エアコンの設定温度を1度高くすると、電気代が13%節約できるといわれています。
また、エアコンの設定温度も夏場は「28℃」冬場は「20℃」位が奨励されていますね。
エアコンの電気代節約を考えているのであれば、極端に設定温度を高くしすぎたりあるいは低くしすぎたりしない方がおすすめですよ。
「そんなこと言ったってー暑いし、もうちょっと部屋の温度涼しくしたい!」
確かに、「もうちょっと涼しく快適にしたい!」という気持ちもよくわかります。
そこでエアコンをつけっぱなしにするときは、例えば短い時間部屋を開けるときやちょっと外出するときは、エアコンの設定温度を1.2℃上げて少しでも電気代の節約をしてみてはいかがでしょう?
無理をしない節約方法をとるのも、節約を続けるコツですよ。
節電のポイント
エアコンをつけっぱなしにする、しないに関わらず、電気の節電につながるポイントもあります。
日常的にエアコンを使う時に、ちょっと気にしてみてはいかがでしょうか?
エアコンは自動運転
エアコンを使う時、「自動運転」モードがあるのなら自動運転が節電になりますよ。
エアコンを起動したら設定温度まで最短時間で稼働して、その後は自動的に低い電力で稼働してくれますので、とても節電、節約になります。
サーキュレーターや扇風機を一緒に使う
一般的に、温かい空気は天井の方に溜まるので、エアコンを部屋で使うと、部屋の空気にむらが出来てしまう事も。
サーキュレーターや扇風機を天井の方に向けて運転して部屋の空気を循環させると、部屋が速く設定温度になりやすくなり、節電にもなりますよ。
コンセントは抜かない
よく、節電、節約のために「待機電力はもったいないからこまめにコンセントを抜く」と書いてあります。
確かに、エアコンはリモコンと常に通信している状態、待機電力もかかっていますが、その電力はごくわずかで、1か月1円以下と言われています。
エアコンのコンセントを抜いたりさしたりを繰り返すと、室外機のコンプレッサーが故障する原因になることも。
エアコンのコンセントを抜くことは、あまりおすすめしません。
まとめ
いかがでしたか?
エアコンをつけっぱなしの方が、つけたり消したりするよりも節電できるというのは意外でしたね。
また、ただつけっぱなしにするわけではなく、状況によってつけたり消したりするのが、より節約になるというのも勉強になりました。
「節約のために弱冷房」「節電の為にこまめに消す」のではなく、「節電の為に消さない」という考え方も必要なのですね。
エアコンを使う季節は、節電の事も考えて上手にエアコンを使えるようになりたいですね。
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