エアコンシーズンの初めや、あるいはエアコンの風を浴びた時、エアコンから凄く嫌なにおいがする時ってありませんか?
時には「この前まで臭わなかったのに!」「買ったばっかりなのに」「なんだか酸っぱい臭いがするの」と臭いの存在に驚く方も多いのでは?
この臭いの原因は何なんでしょう?
実はエアコンの嫌な臭いや酸っぱい臭いにはちゃんと原因も対策方法もあります。
今回はエアコンの臭いの原因、臭いを消す対策と予防方法についてご紹介します。
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目次
エアコンの仕組み
エアコンの臭いの原因を説明する前にまずはエアコンの仕組みについて確認していきましょう。
エアコンは、室内機と室外機の2つで1セットとなっており、室内機には熱交換機、室外機にはコンプレッサー(空気圧縮器)が搭載されています。
エアコンと聞くと冷たい空気や温かい空気を作り出したり、循環したりする家電と思われがちですがこれは間違い。
エアコンは空気内にある「熱」を奪ったり取り込んだりすることによって部屋の温度を調整しているのです。
では、エアコンはどうやって空気内の「熱」をコントロールしているのでしょうか。
冷房の仕組み
まずはエアコンの冷房の仕組みを見てみましょう。
- 温かい部屋の空気がエアコンの室内機のファンによって集められて熱交換機へ
- 熱交換機には冷媒(フロン)パイプが通っており、室内の温かい空気の「熱」のみを取り込む
- 「熱」を奪われ、涼しくなった空気は再び室内機のファンによって部屋に戻される
- 冷媒によって取り込まれた「熱」は冷媒パイプを通って室外機へ
- 室外機のコンプレッサーによって「熱」が圧縮されて高温・高圧の気体になる
- 高温の液体となった熱は室外機のファンによって放出。気化熱によって熱が奪われて冷たい液体になる。
- 熱を奪われて冷たくなった液体は冷媒パイプを通って、再び室内機の熱交換機へ移動する
暖房の仕組み
冷房の仕組みが分かったところで、次に暖房の仕組みをみてみましょう。暖房は冷房とは逆の仕組みになっています。
- 室外機から冷たい空気を取り込み、コンプレッサーによって「熱」を圧縮させる
- 高温・高圧の気体となった熱は、室内機の熱交換機へ移動
- 室内機に取り込んだ冷たい部屋の空気が熱交換機によって温められて温かい空気となって放出される
- 熱交換機によって冷やされた熱は液体となり冷媒パイプを通って室外機へ
- 室外機の冷たい空気と一緒にコンプレッサーで圧縮されて再び気体となり循環する
エアコンの仕組みのまとめ
エアコンは空気を循環させているのではなく、空気内の熱を循環して室温を調整していることがお分かりいただけたかと思います。
この仕組みがエアコンの臭いの原因の大きな元となるのです。
このことを踏まえて、エアコンの臭いの原因について確認しましょう。
エアコンの臭いの原因
エアコンの嫌な臭いの原因は様々ですが大きくわけると2種類あります。
エアコンの中の埃やカビ、雑菌
エアコンが部屋の空気を吸うと、空気に含まれている埃やカビ・雑菌も一緒に吸い込んでエアコンの中に溜まっていきます。
それらはエアコンの中で繁殖して、エアコン内の空気と一緒に温められたり冷やされたりすることによって臭いを発するようになります。
それらが「エアコンの臭い」の原因。
嫌な臭いの種類は雑菌によって違いますが、カビ臭かったり鼻にささるような臭いだったりと様々です。
「え?でも、カビの臭いは知ってるけど、酸っぱい臭いとカビの臭い、ちょっと違うような気がするんだけど」
確かにあの独特なカビ臭は「酸っぱい」臭いとは違いますね。
でもカビにもいろいろな種類があって、アルカリ化するとアンモニア臭や古くなったチーズのような酸っぱい臭いを発するものも存在します。
例えばチーズについている「白カビ」って、酸っぱい臭いがしませんか?
あれとよく似た臭いを発するカビも存在していて、それがまさにエアコンの酸っぱい臭いの原因となっているのです。
部屋の空気
エアコンは部屋の空気を吸い込み吐き出すので部屋が臭いとその臭いも一緒に吸い込んでしまいます。
例えば部屋でタバコを多く吸っていれば、エアコンから出てくる空気はタバコ臭くなりますし、ペットを飼っている部屋でエアコンをかければ、ペットの臭いがする空気がエアコンから出てきます。
酸っぱい臭いの原因として考えられるのは、「汗の臭い」
人の汗は汗が出てくる汗腺によって臭いが違うのですが、主にわきから出てくる汗は酸っぱい臭いがするのです。
例えば夏に汗臭い締めきった部屋でエアコンをかけると、その汗臭い臭いが酸っぱい臭いになって、エアコンの酸っぱい臭いの原因となっていることも。
そして、その酸っぱい臭いの原因菌がエアコンの中に溜まってしまうと、菌が増殖してエアコンの臭いを更に酷くしていくのです。
病気の原因になる可能性
カビや雑菌がエアコン内に増殖すると、臭い以上に怖い事になります。
カビや雑菌は、「温度」「湿度」「埃」の3つの条件がそろうと爆発的に増殖します。
- 温度
カビが好む温度は20℃~35℃と言われていますが、エアコンの中は常にこの温度に近い状態です。 - 湿度
エアコンを運転させると空気の温度差が出来るので結露が出来やすく、水分が多くなりますので、当然湿度も上がります。 - 埃
吸い込んだ部屋の空気の中に含まれている埃は、カビの餌となります。
いかがでしょうか?
エアコンの中は、まさにカビや雑菌が増殖する条件がぴったりそろっているのです。
エアコンの中でカビがどんどん増えていくと、エアコンの吹き出し口からカビの胞子や雑菌が混ざった空気が噴き出してくるようになるのです。
そして人がそんな空気を吸い込んでしまうとぜんそくや肺炎、アレルギーと言った肺の病気の原因ともなってしまうのです。
「それじゃ、エアコンが臭ってる時にエアコンの空気を浴びるってことは、カビだらけ雑菌だらけの空気を全身に浴びているっていうこと?」
そうです、エアコンが臭うようになってきたら、お部屋の空気もあなたの身体もカビだらけになる可能性大!
すぐに臭いを消して、対策を講じましょう。
酸っぱい臭いを消す方法
「酸っぱい臭い」に限らず、エアコンから「嫌な臭いがるすなぁー」と思ったら、その臭いを消す方法は1つ。
それは「エアコンの掃除」
「それだけ?」と拍子抜けしそうですが、これがエアコンの臭いを消す一番効果的な方法なのです。
臭いの原因はエアコンの中に溜まっているカビや雑菌・埃なので、それらをきれいに掃除すれば臭いの原因もなくなり臭いを消すことになります。
自宅で取り外して掃除が出来るパーツ(フィルター、エアコンの蓋など)をすべて取り外して、付着した埃や汚れ(埃以外の付着している黒い物体はカビの可能性大!)をしっかりと洗浄してきれいにしてください。
なお、掃除の方法については以下の記事をご確認ください。
臭いの対策
さて、既に臭くなっているエアコンの臭いは「掃除」で消すことが出来ますが、あらかじめ臭いにくくするような対策を立てておのも大切。
簡単にできるエアコンの臭いの対策方法をご紹介します。
エアコンを稼働させた時10分程窓を開けておく
稼働させた直後は臭いがとても強い上、カビの胞子が一気に噴き出してきます。
稼働した後しばらく窓を開けておく方法をとると、臭いやカビの胞子が部屋の外に出てしまうので臭いが少なくなり、またカビで部屋の空気も汚れにくくなります。
この対策方法は、通常エアコンを使う時に普通に使えそうですが部屋を好みの温度にするのには若干時間がかかるというデメリットもあります。
窓を開けて暖房設定で1時間程運転する
高温でエアコンを稼働させて窓を開けておくと、カビやエアコンの中の雑菌は乾燥が苦手ですのでエアコンの外に出ていきます。
またエアコンを高温設定で運転することでエアコンの内部の水分も乾燥して、カビや雑菌が繁殖しにくくなりますよ。
ただし、この対策方法は時間がかかる上、窓を開けっぱなしにするので、時間がある時に行うのがおすすめですね。
冷房の温度設定を低く(27℃以下)にする
温度が高くなると臭いの成分が空気に混ざりやすくなり、臭いが気になります。
逆に温度が低いと臭いが空気に混ざりにくくなるので臭さがそれほど気にならなくなります。
そこで対策として、冷房を使う時はなるべく低い温度に設定すると臭いにくくなりますよ。
この方法は、エアコンの設定温度を変えるだけですから、忙しい人でもすぐにできそうですが、あまり低くしすぎるとお部屋が冷えすぎてしまうというデメリットがありますので、我が家では夏「猛暑日」と呼ばれるときにこれをやっています。(笑)
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臭いの予防方法
嫌な臭いがする時の対策方法も大切ですが、あらかじめ「臭わないように」する予防を知る事も大切です。
ここでは、エアコンの掃除をした後に行うのがおすすめの、臭いの予防方法をご紹介します。
エアコンを止めた後に送風運転
これが一番効果的で簡単な予防方法です。
カビも原因菌も乾燥が苦手ですので、エアコンを止めるときに送風運転をしばらく行っておくとエアコン内部が乾燥して臭いにくい状態になります。
またカビも雑菌も繁殖しにくくなるので、清潔な状態をキープしやすくなりますよ。
この予防方法は比較的新しいエアコンには標準装備されている機能で、エアコンを止めると勝手に「送風」状態にしてくれます。
そうでないエアコンでも、たとえば、リビングのエアコンでしたら夜寝る前にエアコンを切ったときにタイマー設定で送風にしておくと効果的ですし、寝室のエアコンでしたら夜中に使うことが多い筈ですから、朝起きた時に送風にしておく等、工夫次第で実行することが出来ますね。
フィルター掃除は月に1度
エアコンは部屋の空気を吸い込みます。
空気の中には多かれ少なかれ埃は混ざっているのでエアコンを使っている限りエアコンの中に埃がたまるのは当たり前なのでこれを防ぐことはできません。
埃の中には臭いの原因となる雑菌やカビの素も混ざってる上、埃自体がカビの餌となってしまいますので、カビや雑菌の増殖を予防するためにもフィルターはこまめに掃除しましょう。
月に1回と聞くと「多い!」って感じるかもしれませんが、エアコンを頻繁に使っている状態で1か月毎にフィルター掃除しているとかなりの量の埃がフィルターに付着していますよ。
部屋はこまめに換気
部屋の臭いがそのままエアコンの臭いの原因となることもありますので、こまめに部屋を換気して部屋にこもった臭いがエアコン内部へ入らないようにしましょう。
これは、エアコンの臭いが「タバコ臭い」場合や「ペットの臭いがする」といった場合や、「酸っぱい臭いや汗臭い臭いがする」ときに効果的な予防方法です。
またエアコンの臭いの為だけではなく、身体の健康のためにもお部屋の換気はとても大切という事も付け加えておきますね。
月に一度は窓を開けて送風運転
対策方法でもご紹介しましたがカビや雑菌は乾燥が苦手ですので、臭いの予防・カビや雑菌を撲滅させる方法として、エアコンを使用しない季節も最低月に1回は送風運転をして、エアコンの内部を乾燥させ、発生したカビや雑菌をエアコンの外に放出させましょう。
我が家では昼間、部屋の掃除をするときに、窓を開けて換気して、さらにエアコンを送風にすることを心掛けています。
掃除の為に窓を開けているので部屋の空気の入れ替えにもなるし、その状態で送風にするとカビや雑菌も部屋の外に出て行ってくれるのでは?という期待もしていますが(笑)
まとめ
エアコンの嫌なにおいや酸っぱい臭いの原因と対策、予防についてご紹介しました。
- エアコンの臭いの原因は「部屋の臭い」か「エアコン内のカビや雑菌の臭い」
- 臭いを消すには「エアコン掃除が一番」
- 臭いを予防するためには、エアコン内の湿度を下げる
- こまめに部屋の換気をするのも大切
エアコンが臭ってくると何とも言えず衝撃的だし嫌な気分になりますね。
臭いがしたら、即エアコンのお掃除をしましょう。
臭いの嫌な感覚もさることながら、病気の引き金にもなってしまいます。
エアコンの掃除方法については以下の記事に詳しく記載されていますので、是非ご覧ください。
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